2005年02月24日

一人で”旨い”ご飯を食べてこそ、大人の男だ

久住昌之・谷口ジロー『孤独のグルメ』(扶桑社文庫)は、”グルメ”とタイトルにうたってあるけれど、いわゆる”グルメ”とは一線を画する内容だった。主人公は、一人でご飯を食べる時こそ「自由に、社会のしがらみから解放される時」と思っていて、気取った店や行列ができているような店を避けて、見知らぬ街を歩き回り、一人で「旨い!」と言えそうな店を選んで食事を摂る。
時に、地元で暮らす人のおススメに従うこともあるけれど、自分の目で、店のたたずまいをチェックしてからでないと、決してその店には入らない。

彼は、自分にとって何が”旨い”のか、をきちんと知っている大人の男性だなぁと思う。
時に、最初に期待したのとは違うものを注文せざるを得なかったりするのだけれど、それがまた”旨い”のだ。
江ノ島の江ノ島丼とさざえのつぼ焼きみたいに、結構、同じ食材がカブってしまったりして、反省するところがまた、面白い。
吉祥寺の回転寿司では、隣に座った大人しそうなご婦人に助けられたりもするけれど、あくまでも一人で食事を楽しむことにこだわっている。
さらに、その健啖ぶりがすごい! 川崎の焼肉屋の回、夜中のコンビニ食の回で、普段にも増してモリモリと食べてしまうのには、びっくりさせられた。

雑誌やグルメ本に紹介された”うまい”店ばかりをありがたがるのではなく、大人なら自分の好みをふまえて、自分の勘と舌で”旨い”店を発掘しなくては、カッコ悪いぞ!と言われているような、そんな作品だった。

それにしても、こんなお店には、勇気を出して一人で入って、思いっきり”旨い”ものを食べてみたくなる。

『孤独のグルメ』
posted by おまさ at 00:10| 東京 晴れ| Comment(2) | TrackBack(5) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBさせて頂きました。
井之頭五郎は大人としてかっこいいですよね!こだわりも自然でいてポリシーがあるというか。
Posted by tar_ks at 2005年02月25日 00:31
TBありがとうございました。
井之頭五郎のこだわりは、これみよがしじゃなくていいですね。それと、あの旺盛な食欲! うらやましいです。
Posted by おまさ at 2005年02月25日 06:45
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孤独のグルメ
Excerpt: 前のブログで書いたこの本、いまだに読み返している。 世の中では一人で食事をすることは寂しいことと見なされているが、私は全くそう思わない。むしろ様々なしがらみやストレスからその時だけ離れ、ホッとできる..
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Excerpt: 「孤独のグルメ」久住昌之・谷口ジロー 主人公は雑貨輸入業を営む中年男。 彼が仕事で訪れる様々な街の風景と人、 そして食についてショートストーリーで 語られている。 浅草の甘味屋や山谷の食..
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