2006年04月18日

一味違った“捕物帳”

「なめくじ長屋捕物さわぎ」というシリーズをご存知ですか?
都筑道夫さんが、長年に亘って書き続けた「捕物帳」なのですが、そんじょそこらの「捕物帳」と思ったら、大間違い。

まず、登場人物がカッコよくない!(笑) 貧乏長屋にたむろする大道芸人たちが、主人公。その中心人物は「もうずーっとあーた、浪人でしょ?」と一目でわかってしまう、砂絵のセンセー。無腰でボロ袷を年がら年中着ていて、さかやきもボーボー。風采の上がらないことこの上なし!って感じなのである。だけれど。ひとたび、不思議な事件にかかわると、ことごとくその謎を解いてしまう。そして、礼金をいただき、長屋のみんなと酒盛りをするのだ。
センセーを助けるのが、これまた個性的な連中ばかり。「へぇ、そんな商売があったの?」というようなさまざまな大道芸の達人たちが、センセーの号の下、江戸中を走り回って、事件の手がかりを探してきたり、犯人を捕まえる手助けをしたりする。

この作品のいいところは、決して、奇麗事じゃないってところかな・・・。
事件はまぁ、解決をみるわけだけれど、センセーたちは、必ずしもお上の手助けをするとは限らず、時には後ろ暗いところのあるお金持ちから、口止め料をもらってみてみぬふりをしてあげたり、っていうのが、また、今までの捕物帳とはちょっと違って、いい感じなのです。
弱い立場の人が泣きをみることのないように、っていう精神を貫きつつ、同情に値するところは受け入れて、っていうさじ加減がとてもいいのです。

で。このシリーズの全作ではないのですが、落語のネタをうまーく下敷きにした作品がたくさんあります。
「らくだ」「野ざらし」「長屋の花見」といった今でもお馴染みのネタを、都筑さんの上手なアレンジで、捕物帳の事件に仕立て替えられています。

落語好きなら、楽しめること請け合い! そして時代小説って古くさくない?と思っている人に「こんなポップな時代小説、捕物帳があるんだ!」と楽しんでもらえるに違いありません。


posted by おまさ at 17:09| 東京 🌁| Comment(20) | TrackBack(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月24日

祇園の奥深さを知る

三宅小まめさんという90歳を超えてもなお、現役の祇園の芸妓さんと、30代半ばで芸妓をやめて祇園でクラブを経営する米さん、二人の祇園をよく知る女性による、祇園の真の姿を垣間見せてくれる聞き書き集。

『「祇園」うちあけ話』


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posted by おまさ at 16:06| 東京 ☁| Comment(11) | TrackBack(0) | エッセイ・コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月14日

ほのぼのと、すがすがしく、ほほえましい

宇江佐真理さんの作品を立て続けに読んでいる。
宇江佐さんの作品は、どれも読んだ後に、すがすがしい風に吹かれたような、そんな気分になる作品ばかりだ。
その中でも、『春風ぞ吹く 代書屋五郎太参る』(新潮文庫)は、25歳の貧乏御家人の成長の物語。
かなり晩生の、自信なげな、でも優しい青年が、一人の男として成長していく様を四季折々、そして学問吟味という試練を乗り越えるまでの様々な出来事を通して描いている、短編連作集。

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posted by おまさ at 16:58| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月09日

まさに“暴論”

“文壇アウトローズ”という名に恥じない?坪内さんと福田和也さんの対談連載をまとめたもの。
連載が始まった当時は、リアルタイムで読んでいたのだけれど、「SPA!」という雑誌に魅力が感じられず、まぁ、本にまとまったときでいいか、と・・・。続きを読む
posted by おまさ at 15:19| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月28日

きもの好きにはぜひぜひ読んで欲しい一冊

悉皆屋という職業を知っている人が、今どれくらいいるだろうか? たまたま、きものを着るようになって、そういう商売があることは知っていたけれど、実際に悉皆屋さんに行ったことは、まだない。
悉皆屋康吉』の文庫版の裏表紙に記された解説の冒頭、まず悉皆屋の紹介から始めていることを見ても、現代ではその存在を知る人がいかに少ないかということをうかがい知ることができる。


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posted by おまさ at 17:11| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | きもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

まさに浮世を映す鏡

小沢昭一さんが、「小説新潮」で選者を務めていらっしゃる川柳のコーナーを1冊にまとめたのが、『川柳うきよ鏡』(新潮新書)。
新聞や週刊誌などにも、川柳の投稿コーナーはあるのだけれど、そういえばあまり読んだことがなかった。
ちなみに、現在の「週刊文春」の川柳コーナーの選者は、噺家の柳家喬太郎さん(って、あんまり関係ないですね・・・)。続きを読む
posted by おまさ at 16:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はじめての目録注文

早稲田の古本屋さん「古書現世」の若旦那・向井透史さんが、ときどきはてなの日記を読んでくださっていると、「店番日記」に書いてくださったのをいいことに、TBを送って、ちょうどもうすぐできるという古書目録を送っていただくことになった。

今までも、古書目録というものには興味津々だったのだけれど、なんとなく気後れがして、古本屋さんに送ってもらったことはなかった。
そういえば、一度だけ、古書日月堂さんの目録を、知人がやっている「A/Zブックス&カフェ」で販売していたのを購入したことがあったけれど、その目録から本を注文するには至らなかったのを思い出した。

で、古書現世から送っていただいた目録が郵便ポストに入っていて、なんだかワクワクとしながら封筒を開けて、坪内さんの真似じゃないけれど、ペンを片手に端から目を通してみた。

送り先の住所をメールでご連絡したお返事をいただいたときに「うちは学者さん相手の本ばかりなので」と書いていらしたので、もっともっと固い研究書ばかりなのかなぁ?と想像していた。でも、目録を読んでみると、わたしなんぞでも「おお!」と思うような本もそこそこ混じっていたので、○印は思ったよりもついた。
でも、お財布と相談しなくちゃということを思い出して、○を付けた本をもう一度見直して、結局3冊に注文を出してみた。
先着順とのことだったので、もしかしたら全部すでに売り切れの可能性もあるけれど、そのときはそのとき、と思っていたら、2冊は無事、わたしが1番乗りだったらしく「発送は来週になってしまいますが、ご注文承りました」というお返事をいただいた。

これまでも、ネットの古本屋さんで本を買ったことはあるので、そんなに大きな違いはないとは思うのだけれど、なんとなく「目録で注文した初めての本」ということに、結構、ドキドキしているところなのだった。

posted by おまさ at 15:35| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

本の蟲がうずく・・・

池谷伊佐夫さんといえば、古本屋さんを独特のイラスト入りで紹介する本をこれまでにも上梓していらっしゃるイラストレーターさん。
このところ、再び活発な動きを見せているといわれる神保町を、新たに紹介しているのが『神保町の蟲』(東京書籍)。続きを読む
posted by おまさ at 15:11| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | エッセイ・コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月24日

一人で”旨い”ご飯を食べてこそ、大人の男だ

久住昌之・谷口ジロー『孤独のグルメ』(扶桑社文庫)は、”グルメ”とタイトルにうたってあるけれど、いわゆる”グルメ”とは一線を画する内容だった。続きを読む
posted by おまさ at 00:10| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(5) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月23日

きっかけは、著者本人!

小沢昭一さんの本を買い始めたのは、坪内さんが著作で小沢さんを紹介していたから。でも実際のところ、積ん読状態にあった。
それらの本を読むきっかけを下さったのは、ネットで本の話題を通じて知り合った「A Moveable Feast」というサイトのふじたさん。

今回、『言わぬが花』を読むきっかけを作ってくださったのは、なんと赤坂の某カフェで偶然お見かけした、小沢昭一さんご本人!続きを読む
posted by おまさ at 11:53| 東京 ☀| Comment(20) | TrackBack(0) | エッセイ・コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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